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診察方法の違いから生じた行き違い


事例要約

旅行中に分娩が進行してしまったポーランド人妊婦とその一家への対応。
妊娠9か月後半で、片言の英語で問診を受けた後に隣の内診室で支度するように医師から指示された。介助する助産師は外国人対応は初めてであったが、プライバシーの保護は国が異なろうと同じはずと考え、内診台中央にあって妊婦の頭側から下半身の診察光景が見えないようにと設置してあるカーテンが確実に閉まっているように配慮した。しかしながら、妊婦はひどい剣幕でカーテンを開け放ち母国語と思われる言葉で怒っている。身振り手振りで説明しても納得してもらえず。診察を一時中断して、内診室ではあったが妻よりは英語が通じる夫に付き添ってもらうことになった。
この時、妊婦が怒ったのは「カーテンを閉めて診察光景が見えないようにするのは医療者として何かまずいことがあるからではないか、自分に何をしようとしているのか」と怖くなり、言葉も通じず不信感が募り、パニックになったためとの事だった。
 後刻調べたところ、内診台のカーテンがあるのは世界の中でも日本独自のことのようで、性に関する、また医療者との信頼関係の考え方の相違が国によってかなりあることがわかった。このことを妊婦も助産師も双方共に知らなかったために、トラブルになったと思われる。

解説・作成意図

  文化の違いから生じた医療に関する考えや習慣の行き違いである。
  このケースは私が新人のころ、中堅の助産師が関わった事例であったが、近年はこのような文化の違いの認識は深まってきていて、ネットなどでも情報は収集できる機会は多くなっている。

  変だなと思ったら、看護師も患者も、相手に聞いてみることで、相互理解ができ、すぐに解決できることもある。特に、異文化の人間の関係性においては、対応できることと、できないことがあるが、本
 事例のように、カーテンの開閉だけの問題なら簡単に調整できることである。また、このような場面から、本質的な相互理解や、互いの違いを知り。尊重するきっかけになるのではないか。